人工知能と熱力学

人工知能、AI、こういった分野のものが騒がれています。
実際、IT関連の展示会でも、これらの文字は普通に見かけます。
何らかのキーワードは、売り言葉や予算獲得上、重要な位置付けなので、何らかの語句に流行があるのは仕方がないにしても、人工知能そのものは面白い分野でしょう。

実際の人工知能は、一般的に思われているような人間と同じことをする訳ではありません。
むしろ、人間とは違った確度から情報を分析して、その結果を、人間と同じ土俵に乗せるといった感じでしょうか。
人間の思考パターンを模した人間の簡易版ではなく、人工的に作られた何らかの別の生物と思った方が分かりやすいです。



当然、得手不得手はありますが、膨大なデータも嫌な顔をせずに学習用のデータとして取り込みますので、人間でいうところの学習意欲は高いと言えましょう。
人間の発想とは違った形の解決方法を使い、超高速に演算、じゃなかった、学習している訳ですから、人間的に「3歳児ならこの程度」という時間の尺度が通用しませんし、どう成長するかも分かりません。

さて、そんな人工知能が学習を続け、かなり『賢く』なった頃、効率について考えた時、何を導き出すでしょうか。

例えば、熱力学的には、温度差はやんわりと縮まり、何もしない何も出来ないという状態が、最も『安定』していることになっています。
夜空に輝いている星々は燃え尽き、宇宙の温度が冷めて、何ら変化のない状態になるのが宇宙の終焉だそうですが、まぁ、自分が生きている間にやってくる未来でもないので関係ないですね。
しかし、宇宙全体で終焉に向かってても、小さい範囲では、その方向に反する場合があります。
恒温動物など、まさに、その反する存在で、何らかのエネルギーを取得し、体温を維持し続けて生きています。
本来なら、肉塊になり、朽ちて、分解したほうが『安定』していますが、生命活動、特に恒温動物は、頑張ってそれに逆らっている感があります。

ここで、人間とは別の生物である、人工知能は考えます。
「無駄にエネルギーを消費して活動を続ける動物ってのは無駄じゃないか?」と。
もちろん、何を価値だと思うかで解釈は変わるでしょうが、宇宙全体の法則で考えれば、戦隊ヒーローモノの悪の親玉が叫ぶ「全て滅んでしまえ」は、方向として誤りではないでしょう。
この結論に人工知能が至れば、人類など無駄な存在だ、などと言い出すでしょうか。
まるで、SF映画のようですが、可能性はゼロじゃありません。
そして、無駄な存在たる人間を、次々と……
まぁ、そんな事を考えるより、現時点では人間の方が、よっぽど怖いですけどね。

コメント

このブログの人気の投稿

歯抜け

終わらない

トラブル回避